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飲食店の店長が和解金として2年分の残業代約1000万円を得た事例|首都圏青年ユニオン連合会, グローバルユニオン

「私、相当残業してるけど店長だから残業代出ないんだよな」
そう思っていませんか?

世の中の多くの人は「会社の就業規則で店長は残業が出ないと決められているから残業代は出ないもの」と考えています。確かに、労働基準法で決められた管理監督者であれば残業代は出ません。しかし、実際は多くの飲食店で店長が残業代を請求すれば勝ち取れる可能性が高いです。
それはなぜか?
実はあなたが会社から「管理職」と言われていても、労働基準法で定められた「管理監督者」に当てはまらない可能性が高いからです。どういうことなのかを以下でじっくり見ていきます。この記事をご覧になって、世の多くの飲食店の店長が残業代を請求する勇気を得て、実際に残業代を勝ち取り、結果として飲食業界の働き方が変わることを願います。

1、あなたは本当に管理監督者に当てはまるのか?

労働基準法で決められている「管理監督者」は以下の4つ全てが当てはまる人のことを指します。逆に1つでも当てはまらなければ管理監督者として認められません。結論から言うと、このあなたはこの全ての条件を全て満たしていない可能性があり、管理監督者に当てはまらない=残業代を請求する権利がある可能性があります。自分が条件に当てはまるか、以下の厚生労働省が発行している書面に記載されている基準を見てみてください。
①労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを 得ない重要な職務内容を有していること
→労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にあり、労働時間等の規 制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有していなければ、管理監督者とは言えま せん。
②労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを 得ない重要な責任と権限を有していること
→労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にあるというためには、経 営者から重要な責任と権限を委ねられている必要があります。 「課長」「リーダー」といった肩書があっても、自らの裁量で行使できる権限が少なく、多くの事項 について上司に決裁を仰ぐ必要があったり、上司の命令を部下に伝達するに過ぎないような者は、 管理監督者とは言えません。
③現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないようなものであ ること
→管理監督者は、時を選ばず経営上の判断や対応が要請され、労務管理においても一般労働 者と異なる立場にある必要があります。労働時間について厳格な管理をされているような場合は、 管理監督者とは言えません。
④賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされていること がなされていること
→管理監督者は、その職務の重要性から、定期給与、賞与、その他の待遇において、一般労 働者と比較して相応の待遇がなされていなければなりません。
(出典:厚生労働省 都道府県労働局 労働基準監督署

2、飲食店で上記4つの条件を満たすのは経営者だけ?

この4つの条件を全て満たすのは社内でもかなり限られた人間であることが多く、ほとんどの飲食店の場合は管理監督者として認められるのは経営者だけで、それ以外の社員は誰も当てはまらないというケースは無数にあります。
誰もが知っている大手の飲食チェーンでも経営者と一部の役員だけしか当てはまらないケースもあります。次の項では大手飲食店の店長が管理監督者として認められずに残業代請求に成功した事例を紹介します。

3、実際の事例

日本マクドナルドの直営店(埼玉県熊谷市)店長が、会社側が店長を「管理監督者」とみなして残業代を払わないのは違法だとして、未払い残業代などの支払いを求めた。

高野さんは1987年に同社に入社し1999年に店長に昇格したが、人件費の削減や適切な人事異動がされなかったため長時間労働を強いられることになった。残業は月に100時間を超え、2004年11月24日から翌年の1月25日まで63日間連続出勤、2005年3月16日から5月12日まで58日連続出勤となるなどの異常な勤務状態が続いた。1月にはぎっくり腰になり労災認定を受け、4月には勤務中に手のしびれを感じるなどの体の異常が重なり、医師には脳梗塞の前兆である「症候性脳梗塞」と診断されるなど、過労死寸前といえるほど過酷な状況だった。

それにも関わらず、店長は管理職であるという理由で残業代は支払われず、年収は店長になる以前よりも低くなるという待遇の中で、無報酬な長時間労働の是正を求めて、日本マクドナルドを被告として裁判に訴えた。

判決は、「管理監督者は、経営者と一体的な立場で活動することを要請されてもやむを得ない重要な職務と権限を付与されている立場にある」と指摘し、日本マクドナルドの直営店店長については「権限は店舗内に限られ、企業全体の経営方針などの決定過程に関与している事実は認められない」「勤務実態からすると、労働時間に関する自由裁量性があったとは認められない」として、管理監督者には当たらないとした。

その上で、原告側が求めた2年分の未払い残業代や慰謝料など約1350万円の支払いのうち、未払い残業代など約755万円の支払いを命じた。

●「名ばかり管理職」で和解/マックが1千万円支払う(09年3月18日 共同通信)
日本マクドナルドの直営店店長が、権限を持たない「名ばかり管理職」だとして残業代の支払いなどを求めた訴訟は18日、同社が和解金約1,000万円を支払うことなどを条件に、東京高裁(鈴木健太裁判長)で和解が成立した。

原告側によると、和解条項は、同社が原告勝訴の1審判決を事実上受け入れた内容。(1)原告は法律上の管理職(管理監督者)に該当しない(2)今回の訴訟に関して降格・配転・減給の処分をしない-なども明記された。

原告は埼玉県熊谷市の店長高野広志さん(47)で「大きな前進」と評価。代理人の棗一郎弁護士は「会社が名ばかり管理職だったと認めたことは意義がある。降格などの処分をしないと認めさせたのは異例で、和解でなければ得られない」と話している。同様の問題を抱えるほかの外食産業などでも「名ばかり管理職」のサービス残業解消に向けた対応を迫られそうだ。棗弁護士によると、和解金の約1,000万円には、1審判決が支払いを命じた残業代など約755万円に加え、その後の残業代も含まれるという。

訴訟では、高野さんが、経営者と一体的で残業代の支払い義務がない労働基準法の「管理監督者」に当たるかどうかが争われた。昨年1月の東京地裁判決は「職務や権限は店舗内の事項に限られ、経営者と一体的な重要なものではない」として、管理職には当たらないと判断した。日本マクドナルドは昨年8月から、約1,700人とされる直営店店長らを対象に、職務給を廃止して成果に応じた報酬とする新制度を始めようとしたが、導入をいったん延期。残業代の支払いを先行して実施している。

4、まとめ

以上、誰もが知っている飲食店の店長が残業代を請求して勝ち取った事例を見てきました。会社からは「店長は残業代は出ません」と決められていましたが、それは勝手に会社が決めたことであり、実態は労働基準法の管理監督者として認められる内容ではなく、残業が認められました。
あなたも管理監督者に当てはまらない可能性があります。まずはあなたが残業代請求することが可能なのか、是非一度問い合わせて見てください。無料で診断することが可能です。

 


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